パスクア(Pasqua)とはイタリア語で「復活祭」のことで英語のイースター(Easter)にあたります。キリストが十字架にかけられて亡くなり、3日後に復活したことを祝うお祭りです。春分のあと最初の満月の次の日曜日と定められていますので、毎年大体3月下旬から4月中旬の日曜日になります。キリスト教徒の多いイタリアにおいてキリストの誕生を祝うクリスマス(Natale)はもちろん大切な祝日ですが、それと同じ位キリストの復活した日もとても大切なのです。
古くから“クリスマスは家族と一緒に、パスクアは好きな人と一緒に ”(Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi) とうことわざがあるほど、この二つのお祝い事は重要なのですね。
この時期になるとパスクアの卵(Uovo di Pasqua)と呼ばれるカラフルな包装をした様々な大きさの卵型チョコレートが町中のお菓子屋さんやスーパーに並ぶのですが、中は空洞になっていておもちゃやお菓子が入っているので子供たちは割るのが楽しみでワクワクします。
さてパスクアに食べられる食事についてお話しましょう。イタリアの地方によっても違いはありますが伝統的にゆで卵や卵料理、仔羊肉を食べることが多いです。中には知り合いを通じて貴重な山羊を手に入れる人もいて回りからは尊敬のまなざしで見られます。
ナポリではミネストラ・マリタータ(Minestra maritata)という手の込んだスープ、そして仔羊とグリーンピースを煮込んで卵で和えたカーチョ・エ・オーヴォ(Cacio e ovo)というメインディッシュがあります。
またカザティエッロ(Casatiello)という卵、ハム類、チーズの入ったお総菜パンもこの時期よく登場します。そしてお菓子では何と言ってもパスティエラ(Pastiera)ですね!
またイタリア全土において復活祭のお菓子といえばコロンバ(Colomba)と呼ばれるハトの形をしたパネットーネに似たパン菓子が有名ですが日本ではあまり馴染みがないですね。
ちなみに復活祭の翌日の月曜日はパスクエッタ(Pasquetta)=小さなパスクアと呼ばれる日で家族や親戚、友人達と一緒にピクニックに行く日とされておりイタリアでは祝日となっています。