渡辺 陽一 ナポリ料理ブログ

郷土料理を愛してやまないイタリア料理人https://www.instagram.com/watanabe_yoichi_/

ジェノヴェーゼ (Genovese napoletana)

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ズィーティ のジェノヴェーゼ

ナポリ料理においてラグーと同じぐらい重要な料理といえばジェノヴェーゼではないでしょうか。日本において一般的にジェノヴェーゼといえばペースト・ジェノヴェーゼ(Pesto alla genovese)が有名なのですがナポリにおいては牛肉の玉ねぎ煮込みのことを指します。この料理の由来には諸説がありますが、その昔ナポリ港にはジェノヴァ人の経営する食堂がたくさんありそこで振舞われていたのがこの料理だったという話やジェノヴェーゼというニックネームで呼ばれていたナポリ人シェフが考案したからなどともいわれています。何と14世紀のナポリ料理本に玉ねぎと肉で調理されたものが出ているそうですから古くからあったことがうかがえます。

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この料理もナポリ風ラグーと同じくお肉をメインディッシュとして食べるもので、そのソースでパスタも食べます。ですからナポリのオステリアなどでこのパスタを注文するとお肉がほとんど入っていないことが普通なのです。日本においてはそれではお客さんが怒ってしまいますからちゃんとお肉も入っていますけどこれがイタリアの文化なんですね。

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さてこのジェノヴェーゼの作り方ですがまず大鍋で牛すね肉などの煮込み用部位をソテーします。そしてそこに人参とセロリを刻んだものとたっぷりの玉ねぎを加えます。その後トマトペーストと白ワインを加えたらお肉がひたひたになるくらいの水を入れて後はひたすら煮込むだけというものです。私が働いていたナポリのお店では骨付きの生ハムを掃除した際に出る骨も入れて煮込んでいました。ソースにコクを出すためにオリーブオイルではなくラードを使う人や豚肉を入れる人もいます。

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ジェノヴェーゼ

このソースをパスタで頂く時には通常ズィーティ(Ziti)と呼ばれる小指ぐらいの太さの長いマカロニを折って和えることが多くナポリでは定番の組み合わせです。他にはペンノーニ(Pennoni)という大型のペンネやパッケリ(Paccheri)なども好まれます。ただ日本ではどれも手に入りにくいのでリガトーニ(Rigatoni)などと和えてもいいでしょう。パルテノペではズィーティまたはワンサイズ太いカンデーレ(Candele)というパスタで提供しているのですが、とてもナポリらしい料理で私は大好きです。

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カンデーレのジェノヴェーゼ

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ズィーティ、カンデーレなどナポリのマカロニいろいろ

 

ジェノヴェーゼ材料

牛肉(煮込み用部位)、好みで豚肉

玉ねぎ(肉と同量程度)

人参・セロリ(好みで)

白ワイン

トマトペースト、トマト(好みで)

ローリエ・バジリコ

オリーブオイル

塩・黒胡椒

ズィーティなどの太いマカロニ