なすのチーズ焼きはオリジンがシチリアだともナポリだとも言われていますがナポリのそれはまるでラザーニャみたいです。作り方はナスを揚げてモッツァレラチーズやパルメザンチーズ、トマトソースと重ねるという簡単なものですが作る人によって仕上がりが変わりますので面白いです。まずイタリアではなすのアクが強いことからスライスしたら塩を振るか塩水に漬けるなどの下処理をします。(これは日本では必要ないことです。) ちなみになすは皮がついたままでもピーラーで皮を剥いても構いません。皮がついたままだと目減りもしませんし皮も美味しいのですが時間が経つと色が出てきますのですぐに提供しない時には不向きです。次になすを揚げるのですがこれは作る人によってやり方が変わります。一番シンプルなのが素揚げです。次に小麦粉を振ってから揚げる方法です。そしてもう一つは小麦粉と溶き卵を付けて揚げるというものです。
この違いですがなすが油を吸わない方法としては最初の素揚げが最適だと思います。二番目の小麦粉を振る方法ですがトマトソースを塗って重ねた時になすの馴染みが良くなるというメリットがあります。また最後の溶き卵を付けて揚げる方法ですが当然ながらなす自体の味はより良くなります。しかしながら油を多く吸ってしまうというデメリットがあります。これ以外のやり方としてはなすを素揚げしてトマトソースと重ねる時に溶き卵を少量かけてはなすを重ねるというものがあります。卵は火が入ると固まりますのでなす同士の結着がよりしっかりします。まあ結論なすをどう扱うかはお好みでということでしょうか。
なすを揚げたらあとはトマトソースやチーズ類と重ねるだけです。トマトソースの代わりにナポリ風ラグーを使えばより美味しくできます。
初めに耐熱容器に少量のトマトソースを塗ってからなすを一段敷きます。そして少量のトマトソースを塗ったらモッツァレラチーズ、パルメザンチーズ、バジリコと乗せていき二段目のなすを敷きます。そして繰り返しトマトソースやチーズ類を重ねていきます。ただし最後の面になる部分にはモッツァレラチーズを乗せません。オーブンで長時間焼くと固くなってしまうからです。すべてのなすを重ね終わったらオーブンで焼くだけなのですが焼き上がったものをすぐに食べるということはありません。
その理由としてイタリアの食文化では熱々のものをフーフーしながら食べることがないということがあります。日本人と違って猫舌の人が多いからと言われるかも知れませんがイタリア人的には料理は熱々の状態よりも少し冷ました方が味が馴染んで美味しいという考えがあるのです。ですからこのチーズ焼きは焼いたら少し置いておき、まだ温かいうちに食べるもよし、もっと冷まして常温で食べるもよしとされています。
なすのチーズ焼き材料
トマトソースまたはナポリ風ラグー
なす
溶き卵
モッツァレラチーズ
パルメザンチーズ
バジリコ